『悪の花』105 屑拾いの酒

屑拾いの酒

しばしば、赤い輝きの街灯が
風に炎を打たれ、そのガラスが苛まされる時、
人類が嵐渦巻く酵母となってひしめいている
泥まみれの迷宮である、古い下町の中心で、

屑拾いがやって来るのを見るものだ。彼は頭を振りながら、
つまずいて、まるで詩人のように壁にぶつかりながら、
密告者たちも自らの臣下であるかのように気に留めず、
輝かしい計画にあふれる心を思う存分吐露している。

彼は誓いの言葉を口にし、崇高な法を命じ、
悪人を追い払い、犠牲者を助け起こし、
そして天蓋のように吊り下がった天空の下で、
己の美徳の栄光に酔いしれる。

まさしく、生活の苦しみに悩まされているこの人々、
労働によって型に嵌められ、歳月によって苦しめられ、
がらくたの山の下、巨大なパリの
雑然とした嘔吐の下で縮こまっていた人々が、

再びやってくるのだ、酒樽の臭いを漂わせて、
連れの仲間たちは、戦いの間に白髪になり、
その口ひげは、古びた旗のように垂れ下がっている。
旗と花々、そして勝利の門が、

彼らの前に立ち上るのだ、なんという厳粛な魔術だろうか!
そして耳を聾するような光り輝く饗宴のなかで、
ラッパと、太陽と、叫び声と、太鼓とともに、
愛に酔いしれた人々に、栄光がもたらされる!

そのようにして、軽薄な人類の中を通して、
酒が、まばゆいパクトロス川となって黄金を流していく。
人間の喉によって、酒は己の偉業を歌い、
本当の王たちのように、己の天賦の才によって統治する。

沈黙の中で死んでいくこの不幸な老人たち全ての
恨みを覆い包み、無気力をなだめるために、
神は、後悔に苛まれ、眠りをお作りになった。
そして人間が酒という太陽の聖なる息子を付け足した!