『悪の花』114 アレゴリー

アレゴリー

それは美しく、首周りの豊かな一人の女、
酒の中に自らの髪を垂らしたままにしている。
愛の鉤爪も、博打場の毒も、
全てが彼女の肌の花崗岩の上をすべり、衰えてしまう。
彼女は<死>を笑い、<放蕩>を軽蔑する。
この怪物たちの、常に掻き毟り、刈り取ろうとする手も、
その破壊的な遊戯の中で、むしろ敬意を示している、
彼女の引き締まって真直ぐな肉体の荒々しい威厳に対して。
彼女は女神のように歩き、トルコ王妃のようにくつろぐ。
彼女は快楽の中に、イスラム教徒の信仰を持ち、
その胸元が埋め尽くしている、その広げられた腕の間へと、
彼女は視線で人類という種族を呼び寄せる。
彼女は考え、そして知っている、この処女が不毛でありながらも、
世界の歩みのために必要であることを、
肉体の美は、あらゆる恥辱から
救済を奪い取る、崇高な贈り物であることを。
彼女は地獄も煉獄もしらない、
そして暗黒の夜の中へと入る時刻がやって来たとき、
彼女は<死>の顔を眺めるだろう、
生まれたての者のように、憎しみも後悔もなく。