変わり者の夢
知っているか、君も私と同じように、美味なる苦しみというものを?
君自身のことを「なんて奇妙な奴なんだ!」と人に言わせたことがあるか?
― 私は死に行こうとしていた。愛に満ちたこの魂の中、
恐怖と混ざり合った欲望とでも言うのか、ある特別な悪がそこにはあった。
苦悩とともに激しい希望があり、反逆的な気分などはない。
運命の砂時計が空っぽに近付くほど、
私の苦悶はより激しく、そして甘美になっていった。
私の心はすっかりと、親しい世界から引き剥がされていた。
私はまるで見世物に待ち焦がれる子どものようで、
人が障壁を憎むように、緞帳を憎んでいたのだった。
そしてついに冷酷な真実が暴かれた、
私は驚くこともなく、もう死んでいて、むごたらしい朝日の光に
包まれていたのだった。「何だって、これだけでしかないのか?」
幕は上がっていたが、私はまだ待ちつづけていた。