『悪の花』002 あほう鳥

しばしば気晴らしのために船乗りの男たちは
大きな海鳥である、あほう鳥を捕まえる。
その鳥たちは、旅の物ぐさな同伴者として、
苦い深淵の上を滑る船舶に付いて行く。

男たちがその鳥を甲板の上に置くやいなや、
この青空の王は、不器用で情けなく、
その大きく白い翼を惨めに
オールのように、両脇に引きずる。

この翼の生えた旅人は、何と不器用で盲目なのだろう!
つい先ほどまで美しかった彼は、何と滑稽で醜いのだろう!
ある者はその嘴をパイプで挑発し、
別の者は、びっこをひいて、空を飛ぶ不具者の真似をする。

詩人は、嵐に付きまとい、射手をからかう
この雲の王子に良く似ている。
地上に追放され、罵声に取り囲まれれば、
その巨大な翼は、彼が歩くことを妨げてしまう。