『悪の花』009 哀れな修道僧

高い城壁を備えた古くからの修道院が
神聖な真理を絵にして繰り広げ、
敬虔な臓腑を暖め、
彼らの苦行の冷酷さを和らげていた。

キリストが蒔かれた種に花咲かせていたこの時代、
今では名を引かれることの少ない、高名な修道僧が一人ならず、
葬儀場を己の作業場として、
素朴さによって死に栄光を与えていた。

―私の魂は一つの墓だ、そこでは憐れな苦行者が
永遠の昔から歩き回り、住み着いている。
この醜悪な修道院の壁を飾り立てるものは何もない。

怠け者の修道僧よ! いつになったら私は、
私の悲惨な苦しみという生きた光景から、
この手に労働を、この目に愛を作ることが出来るのだろうか?