『悪の花』061 クレオールの婦人へ

クレオールの婦人へ

太陽が愛撫する香り立ち込めた国で、
深紅に染まった木の天蓋の下、
怠惰が瞳に涙をこぼす椰子の木の下、
未知なる魅力をもったクレオールの女性に私は出会った。

顔色は青白くも熱気に満ち、この褐色の魅惑的な婦人の
首もとは、上品に気取った雰囲気がある。
背は高く、すらりとし、歩けばあたかも女狩人のよう。
微笑みは穏やかで、眼差しは揺るぎない。

もしも、婦人よ、あなたが真の栄光の国へと、
セーヌ川や緑のロワール川へと赴くなら、
古くからの屋敷を飾るにも相応しい美女よ、

あなたは日陰の隠れ家に守られて、
詩人たちの心に千のソネットを芽生えさせるだろう、
あなたの大きな眼が、あなたの黒人達より従順になれば。