『悪の花』068 パイプ

パイプ

私は、とある作家のパイプです。
アビシニア人やカフラリア人のような
私の顔色を見れば分かるでしょう、
私の主人は大の愛煙家。

あの人が疲れ果てているときは、
私は藁葺き小屋のように煙を出します。
そこでは働き者の帰りを待って
料理が準備されているのです。

私は彼の心を抱きしめ、そしてなだめます。
燃える私の口元から昇る
揺れ動く青い網の中で。

私の運ぶ強い薬が、
彼の心を魔法にかけて、
疲れた精神を癒します。