『悪の花』071 幻想的な版画

幻想的な版画

この奇妙な幽霊がその装いとして持つのはただ
骸骨の額の上にグロテスクに据えられた、
カーニバルを感じさせる恐ろしい王冠のみ。
拍車もなく、鞭もなく、駆り立てられた馬は、
彼と同じように亡霊で、黙示録のように褐色で、
癲癇病者のように鼻孔からよだれを垂らしている。
空間を横切って、彼らはともに突き進み、
運任せの足取りで無限を踏みにじっていく。
騎士は燃えるサーベルを名のない群衆のうえに
振り回し、彼の乗り物がそれを踏み潰していく。
そして館を視察する王子のように、彼は
広大で冷たく地平線もない墓場を走り回る。
そこには白くくすんだ太陽の薄明かりのなか、
古今の歴史を生きた人々が眠っている。