『悪の花』088 赤毛の乞食女へ

赤毛の乞食女へ

赤毛の髪をした色白の娘よ、
そのドレスに空いた穴から
貧困とそして
美とが見えている。

虚弱な詩人である私にとって、
君の若い病的な体は、
赤茶色の染みに覆われていて、
独特の魅力がある。

物語の王妃が
ビロードの半長靴を履くよりも
よりいっそう優雅に君は
重い木靴を履きこなす。

あまりに短いぼろきれの代わりに、
宮廷の見事な衣装が
けばけばしく丈の長いひだをなして
君のかかとまで垂れ下がっていたならば、

穴の空いた靴下の場所には、
遊び人たちの視線のため
金の短剣が君の足で
いまなお輝いていたならば、

だらしない結び目の間から
我々の罪のため、目のように輝く
君の二つの美しい胸が
あらわになっていたならば、

君の服を脱がせようとしても、
その腕が容易く受け入れずに
反抗的な一撃で、いたずら好きな指を
追い払ったならば、

この上なく美しい輝きをした真珠や、
ベロー先生のソネが、
恋の鎖につながれた君の色男たちから
絶えず贈られるだろう。

三流詩人な追従者たちが
君に処女作を捧げつつ、
階段の下から
君の靴下を眺めるだろう。

運命に捉われた数多くの小姓、
数多くの領主、数多くのロンサールが
気晴らしのためにと
君の若々しい小部屋を見張るだろう!

君は自身の寝床の中で
ユリ以上に多くの口付けを数え、
ヴァロワ王朝以上のものを
君の法の下に従わせるだろう。

― しかしながら君は、とある老いぼれて横たわる骸骨に
物乞いをしに行くのだろう、
四つ辻にあるヴェフールなどの
入り口の前で。

君はこっそりと29スーの宝石を
眺めに行くのだろうけれども、
私には、ああ! 申し訳ない!
君にそれを買ってあげることはできない。

だから、行くがよい、身を飾るものには、
香水も、真珠も、ダイモンドも持たず、
ただ君の痩せ細った裸体だけを持って。
おお、私の美女よ!