『悪の花』099 忘れはしなかった Je n’ai pas oublié…

忘れはしなかった Je n’ai pas oublié…

僕は忘れてはいやしないよ。街のはずれの、僕らの白い家。小さいけれど、静かなところだったね。ポモナ神の石像と、古いヴィーナス神は、痩せた茂みの中に、その裸体を隠していて。それに太陽は、夕暮れになると光り輝き、そして壮麗で、光の花束が砕け散る窓ガラスの奥から見ると、奇妙な空の上に開かれた大きな目のように、僕たちの長く静かな夕食を見つめているようだった。そして、教会の蝋燭のような美しい輝きを、質素なテーブルクロスと、サージ織りのカーテンの上にたっぷりと注いでいたんだっけ。