『悪の花』 047 夕暮れのハーモニー

今こそその時、茎の上で震えながら
花はいずれも香炉のように立ち消える。
音と香りは、夕べの大気の中を回る。
憂鬱なワルツ、物憂げな眩暈だ!

花はいずれも香炉のように立ち消える。
バイオリンは苦しめられた心のように振るえる。
憂鬱なワルツ、物憂げな眩暈だ!
空は悲しく美しく、まるで巨大な祭壇のよう。

バイオリンは苦しめられた心のように振るえる、
巨大で真っ黒な虚無を憎む、張りつめた心のように!
空は悲しく美しく、まるで巨大な祭壇のよう。
太陽は、凝固した自身の血の中に溺れてしまった。

巨大で真っ黒な虚無を憎む、張りつめた心は
光り輝く過去の中から全ての名残りを拾い集める!
太陽は、凝固した自身の血の中に溺れてしまった。
君の思い出は私の中で聖体顕示台のように輝く!