『悪の花』028 踊る蛇

私は見るのが好きなのだ、怠け者の君よ、
かくも美しい君の体の、
揺らめく布地のような、
肌がきらめくさまを。

きつい香りの漂う
君の深遠な髪の上、
青と褐色の波とともに
芳香を放ち荒れ狂う海の上、

朝の風とともに
眼を覚ました船のように、
夢見がちな私の魂は旅仕度をする、
遠い空をめざして。

君の眼には、甘美なものも苦いものも、
何も現われはしない、
それは二つの冷たい宝石、そこには
黄金が鉄と融け合わさっている。

君が調子をとって、屈託なく、美しく
歩くさまを見ると、
棒の先端で踊っている
一匹の蛇とも言えよう。

君の怠惰という重荷の下で、
子どものような君の頭が、
幼い象の柔らかさで
バランスをとっていて、

そして君の体が身を屈め、横たわるさまは、
一艘の細身の船が
左右に揺れて、その帆を
水の中に沈めているかのようだ。

うなりを上げて溶け出した氷河で
大きくなった波のように、
君の口から水が上り、
君の歯の縁まで達するとき、

私はジプシーの酒を飲んでいるかと思う、
それは苦く、勝利の味がする、
それは液状になった空、私の心に
星を散りばめる。