『悪の花』032 とある夜、おぞましいユダヤ女の傍らで

とある夜、おぞましいユダヤ女の傍らで、
私が一つの屍に寄り添うもう一つの屍のように横たわっていた時、
この身を売る肉体の傍らで、私は突然思い始めたのだった、
私の欲望に禁じられている、あの悲しげな美女のことを。

私は思い描いた、彼女の生まれながらの威厳を、
彼女の力強く、魅力を備えた眼差しを、
そして芳香を放つ兜となり、その思い出が愛へ向けて
再び私を生き返らせる、彼女の髪を。

なぜなら私は熱烈に、君の高貴な肉体に接吻しただろうし、
君の瑞々しい足元から、君の黒い三つ編みまで
深遠な愛撫の宝玉を繰り広げたことだろうから、

もしも、ある晩、やすやすと手に入れた涙によって、
君がただ、おお、残酷な女たちの女王よ!
君の冷たい瞳の輝きを曇らせることが出来たならば。