『悪の花』 039 君にこの詩句を与えよう

君にこの詩句を与えよう、私の名が
幸運にも遥か遠くの時代へと辿り着き、
強靭な北風の恵みを受けた船として、
ある晩、人間の脳に夢を見させた時、

君の記憶が、おぼろげな物語にも似て、
ツィンバロンのように読者を疲れさせ、
友愛の不思議な鎖によって、私の尊大な脚韻に
吊るされたかのように留まるようにするため。

奥深い深淵から、最も高い空の上まで、
私を除けば誰の返事も返ってこない呪われた存在よ!
―おお、君は、束の間の痕跡しか残さぬ影のように、

軽やかな足と澄みわたった眼差しで、
君を苦いと評価した愚かな死すべき人間たちを押しつぶす、
漆黒の目をした彫像よ、青銅の額をした巨大な天使よ!