ランボー「谷間に眠る者」(中級編)

ランボーとは?

ランボーの「谷間に眠る者」を一緒に読んでいく前に、「ランボーってどんな人?」と気になった人は、まずはこちらからどうぞ。

詩人「アルチュール・ランボー」の紹介ページへ

 

 


「谷間に眠る者」について

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「谷間に眠る者」(Le dormeur du val)は、太陽の光が降り注ぐ緑の美しい谷間とそこに横たわる一人の兵士を描いています。詩の最後にはハッとする真実が(!)自然の生命感と兵士の対比が巧みな詩です。最後に付けられた日付は当時起こっていたフランスと隣国プロイセンとの間の戦争を思い出させています。このようなわずかな手がかりから、詩がどんな状況を描いているか、ぜひ想像してみてください。

 


詩の音を聞いてみよう

意味は分からなくても、とりあえずフランス語原文の朗読をYouTubeで聴いてきましょう。フランス語の音の雰囲気を感じてみてください。

 

 


フランス語テキストと和訳

今度は実際に詩を読んでみましょう。フランス語が少しわかる人は、まず左側のフランス語の原詩を見てみましょう。まだそこまで・・・という人は、今は右側の日本語訳を見ておくだけでもOKです。

 

フランス語原文 日本語訳
Le dormeur du val

C’est un trou de verdure où chante une rivière
Accrochant follement aux herbes des haillons
D’argent ; où le soleil, de la montagne fière,
Luit : C’est un petit val qui mousse de rayons.

Un soldat jeune, bouche ouverte, tête nue,
Et la nuque baignant dans le frais cresson bleu,
Dort ; il est étendu dans l’herbe, sous la nue,
Pâle dans son lit vert où la lumière pleut.

Les pieds dans les glaïeuls, il dort. Souriant comme
Sourirait un enfant malade, il fait un somme :
Nature, berce-le chaudement : il a froid.

Les parfums ne font pas frissonner sa narine;
Il dort dans le soleil, la main sur sa poitrine
Tranquille. Il a deux trous rouges au côté droit.

Octobre 1870.

谷間に眠る者

それは緑の穴ぼこ、そこでは川が歌い
銀のぼろ着を無我夢中に草にひっかける
威厳のある山から太陽が
輝いている、それは光の泡立つ小さな谷

若い兵士が、口を開け、帽子を脱いだまま
うなじをみずみずしい青いクレソンに浸して
眠っている、雲の下、草に横たわっている
光の降り注ぐ緑のベッドで青白くなって

脚はグラジオラスの間に投げ出して、彼は眠っている。
病気の子供が微笑むかのように微笑をうかべて、彼は一眠りしている、
自然よ、彼を暖かく揺すっておくれ、彼は寒いのだから。

芳香が彼の鼻孔を振るわせることはない、
彼は太陽のもとで眠っている、手を胸に当てて
静かな胸に。彼の右の脇腹には赤い二つの穴がある。

1870年10月

 


作品で使われている単語を確認しよう!

ここから「谷間に眠る者」のフランス語表現について学んでいくことにしましょう。今回もQuizletという無料学習ツールを使って、ステップ1からステップ3まで挑戦してみてください☆

 

ステップ1「自然に関する単語を覚えよう」

「谷間に眠る者」に出てくる自然に関する単語をまずは確認しておきましょう。

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ステップ2「体に関する単語を覚えよう」

ステップ1の単語を一通り覚えられたら、今度は「谷間に眠る者」で使われている体に関する単語を押さえましょう。

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ステップ3「音で遊ぼう」

最後は、詩の醍醐味である音に注目して、「谷間に眠る者」を別の角度から感じてみよう♪

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