モーパッサン 詩作品
Poèmes de Maupassant
詩作品 翻訳リスト
『詩集』
- 壁
- 日射病
- 恐怖
- 征服
- 雪の夜
- チュイルリー公園の愛の使い
- 水辺にて (独立ページ)
- 野雁
- 発見
- 鳥刺し
- 祖父
- 欲望
- 最後の逃走 (独立ページ)
- 十六歳の散歩
- 慎みのない請願
- 月光の歌
- 愛の終わり
- 通りの会話
- 田舎のヴィーナス
- (「昔がたり」) 「劇」の項目に掲載
その他の詩編
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解説 1870年代のモーパッサンはまず詩人をもって任じていた。十八歳頃より本格的に詩作を始めたモーパッサンは、ルーアンの詩人ルイ・ブイエの薫陶を受け、そしてフロベールの下での七年以上の修行期間中も、常に詩を書き続けてきた。十六世紀詩人関する評論も、詩人としての自らの詩学の表明という要素の濃いものである。
ロマン派と離別し、当時絶頂のパルナス派とは傾向の異なる、新しいポエジーを生み出すこと。そのような命題のもと、モーパッサンの詩は、より密接に現実の世界へ足を踏み入れることを選ぶ。それは、現実の中に隠された詩情を見出し、同時に、現実そのものを「詩」の中に結晶化させようとする試みであった。何故なら、「詩的」なものが存在するのではなく、対象を捉える詩人の「目」が、そして彼の言葉こそが、事物を「詩」へ転換させるからである。
とりわけ長編詩においては、自然との交感、そしてその中における身体的恋愛が、率直な言葉で歌い上げられる。精神的、プラトニックな恋愛が、従来の詩において頻繁に歌われてきた中で、「欲望」を肯定し、そこに「詩情」を見出そうとした点に、モーパッサン詩の新しさがあった。確かに、その成果は一見、あまりに「散文的」であるように思われる。
だが、本能的次元で捉えられた、動物的といっていい人間像は、極端なまでに拡大・純粋化されて表現されることで、いつか現実の地平へ越え、ほとんど神話的様相を呈するに至る。そこに「田舎のヴィーナス」という、詩集中、最も長い作品が生まれた。そこに至って、モーパッサンの詩は確かにレアリスムを越えている。人間の身体・欲望を象徴の次元にまで高め、普遍的なものとして提示する。その点にこそ、モーパッサン詩学の核心があったように思われるのである。

