『悪の花』036 バルコニー

思い出の母よ、恋人の中の恋人よ、
君よ、私の快楽の全てよ! 君よ、私の義務の全てよ!
君は覚えているか、愛撫の美しさを、
暖炉の暖かさを、夜の魅力を、
思い出の母よ、恋人の中の恋人よ!

石炭の熱が輝かす夜、
そしてバラ色の蒸気に包まれたバルコニーでの夜。
君の胸の心地よかったこと、君の心の善良だったこと!
私たちはよく消え去ることのないことを語り合った、
石炭の熱が輝かす夜。

熱い夕べの中でなんと太陽の美しいことか!
なんと空間は深いことか! なんと心の強いことか!
そして君に身を傾けて、愛される者たちの王妃よ、
私は君の血の香りを嗅いでいるように思った。
熱い夕べの中でなんと太陽の美しいことか!

夜は仕切り壁のように厚くなっていた、
そして私の目は暗黒の中に君の瞳を見つけ出していた、
私は君の吐息を飲んだ、なんと甘美な、おお毒よ!
そして君の足は、私の友愛に満ちた手の中で眠っていた。
夜は仕切り壁のように厚くなっていた。

私は幸福な時を呼び起こす術を知っている、
そして私は君の膝の間に身を寄せている私の過去を再び生きる。
なぜなら君の物憂げな美しさを
かくも甘美な君の親しき肉体、君の心の他所に探して何になろう?
私は幸福な時を呼び起こす術を知っている。

あの誓い、あの香り、あの無限の口付けは、
計ることも禁じられた深淵の中から甦るのだろうか、
あたかも太陽が深い海の奥底で洗われた後、
若返って空へと上るように?
おお、誓いよ、香りよ、無限の口付けよ!