『悪の花』 052 美しい船

私は君に語りたい、おお、柔らな魅惑の女よ!
君の若さを飾り立てる様々な美を。
私は君のため、君の美を描きたい、
子どもらしさが成熟さと結びついているような。

ゆったりとした君のスカートが空を舞うとき、
沖へと向かう美しい船のような印象がある。
帆を広げて、漕ぎ出していく、
優しく、物憂げで、ゆっくりとしたリズムに乗って。

大きく丸みのある君の首、ふっくらした君の肩の上、
君の気取った頭は奇妙な魅力をともなっている。
平静に、勝ち誇って、
君は歩を進める、威厳にあふれた少女よ。

私は君に語りたい、おお、柔らな魅惑の女よ!
君の若さを飾り立てる様々な美を。
私は君のため、君の美を描きたい、
子どもらしさが成熟さと結びついているような。

突き出して、光沢のある布地を押し出している君の胸元、
君の勝ち誇った胸は、ひとつの美しい飾り棚で、
その迫り出した明るい鏡板は
盾のように、閃光を受け止める。

それは挑発的な盾だ、薔薇色の鋲を備えている!
その甘い秘密の飾り棚には、いいものが詰まっている、
ワインに、香水に、リキュールに、
脳髄と心を熱狂させるものが!

ゆったりとした君のスカートが空を舞うとき、
沖へと向かう美しい船のような印象がある。
帆を広げて、漕ぎ出していく、
優しく、物憂げで、ゆっくりとしたリズムに乗って。

君の気高い両足は、襞飾りを蹴りたてる下で、
ほの暗い欲望を苦しめ、そして苛む、
まるで二人の魔女たちが
深い壺の中で、黒い媚薬をかき混ぜているかのようだ。

君の両腕は、早熟な力溢れる若者たちをも手玉に取り、
ぎらぎら光る大蛇にもすこしも引けをとらない。
君の恋人をしつこく締め付けて、
それを君の心のなかに刻み込もうとするかのようだ。

大きく丸みのある君の首、ふっくらした君の肩の上、
君の気取った頭は奇妙な魅力をともなっている。
平静に、勝ち誇って、
君は歩を進める、威厳にあふれた少女よ。