『悪の花』078 憂鬱

憂鬱

空が、低く重く、蓋のようにのしかかり、
長い倦怠の餌食となった精神が、うめき声をあげる時、
そして地平線の円周を覆い尽くして、
夜よりも悲しげな、黒い光を僕たちへと注ぐ時、

地上が湿った独房へと変えられ、
そこで<期待>が、こうもりのように、
臆病な翼で壁をたたきながら、
頭を腐った天井にぶつけながら飛び去る時、

雨が無数の筋を広げて
巨大な牢獄の鉄格子の真似をし、
おぞましい蜘蛛たちの無言の群れが、
僕たちの脳の奥底に網を張りにやって来る時、

幾つもの鐘が突然、怒り狂って飛び跳ね、
空へ向かって恐ろしい唸り声を放つ。
それはまるで、故郷を失ったさまよう亡霊が
執拗な呻き声を発するかのようだ。

― すると、葬儀の行列が、太鼓も音楽もなく、
ゆっくりと僕の魂の中を進み始める。<希望>は
打ち負かされて涙を流し、残忍な<苦悩>が、暴君として、
傾いた僕の頭蓋骨の上に、黒い旗を打ち立てる。