『悪の花』092 盲人たち

盲人たち

奴らをよく見てみろよ、なあ僕の魂。奴らは本当に気味が悪いや!
マネキン人形そっくりだ。うっすら笑えるところまである。
恐ろしくて、奇妙で、まるで夢遊病者みたいだ。
どこか分からないほうに向けて、暗いその目を投げかけている。

神聖な輝きを放つ奴らの目は、
遠くを見ているみたいに、天を仰いで
じっとしている。敷石の方に向けて夢見がちに
重い頭を傾けているところなんて見たことがない。

奴らはそうして、制限のない暗黒という、
永遠の沈黙の兄弟の中を横切っていく。都市よ!
僕らの周りでお前が歌い、笑い、わめき、

残虐なまでに快楽のとりことなっている中、
ほら、僕もまた這いずり回っているんだ。奴ら以上にぼけっとしてさ。
そして僕は言うんだ。「天に何を探しているんだ、あのめくらたちは皆?」