『悪の花』022 異国の香り

両眼を閉じて、秋の暑い夕べに、
君の温かな胸の匂いを吸い込む時、
私は目にする、単調な太陽の炎が輝かす
幸福な岸辺が広がるのを。

そして一つの怠惰な島を、そこでは自然が
奇妙な木々と風味豊かな果物を生み出している。
そして細く力強い肉体をした男たちと、
驚くべき率直さを示す眼を持った女たちを。

君の匂いに連れられて、魅力的な気候へと向かえば、
いずれも海の風に疲れきったままの
帆とマストに満たされた港を私は目にする。

その間、緑のタマリンドの木の香りが
大気の中で旋回し、私の鼻孔を膨らまし、
私の魂の中で船乗りたちの歌と混ざり合う。