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現代生活の画家

コンスタンタン・ギース Constantin Guys (1802-1892)という画家を対象とした批評作品。ボードレールがギースと出会ったのは、おそらく1859年の終わりのこと。個人的にもこの画家との親交を深めたボードレールは、彼についての批評文として、この1859年の内に『現代生活の画家』を書き始める。翌1860年の2月には「プレス」紙に、この原稿の掲載を依頼、しかし結局は掲載を拒否される。その後いく人かの編集者の手を経た後、最終的には「フィガロ」紙に1863年の11月26日、11月29日、12月3日の3度にわたって連載されることになった。

全13章に分かれた作品中では、ギースの名前は「G氏」として匿名のまま解説が続けられる。時には散文詩を思わせるような詩情に溢れた描写が盛り込まれ、また時には「ダンディ」や「化粧礼賛」のようなギースとは直接関係のないような主題が展開されるなど、この作品は「画家ギースについての批評」という一言に収まりきらない。なかでも第4章に見られるような「現代性(モデルニテ)」をめぐる言説は、ボードレールを語る上での鍵といっても過言ではない。